親が80代に差し掛かると、どうしても「その時」が現実味を帯びてきます。
とはいえ、「終活」という話題を切り出すのは、気が引ける方も多いのではないでしょうか?
今回は、親に終活を始めてもらうための上手な進め方や、その中で大切なポイントを詳しくお伝えします。
- 親が終活に乗り気ではないけれど、医療・介護・葬儀・遺産などハッキリさせたい
- どんなふうに終活の話を、していけば分からない
- 親の終活における、メリット・デメリットが知りたい
- 親に終活をお願いすることの意味とメリット・デメリット
-
親が終活をすることで、家族全員が安心して未来を迎える準備が整う理由が分かる
- 終活が親子の絆を深めるきっかけになること
-
終活を通じて親子で思いを共有し、信頼関係を築く大切さについて知る
- 終活を始めるための具体的な方法とアプローチ
-
「話すこと」から始めるシンプルな進め方や、元気なうちに取り組む意義が理解できる
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親の終活:すすめかた
終活をお願いするのはデリケートな話題です。
唐突に「終活して」と言うのではなく、親との対話を大切にしましょう。
きっかけを作る
家族や知人の話題を通じて自然に切り出す
○○さんがエンディングノートを書いて安心だって言ってたよ
ニュースや本を話題にする
最近、テレビで終活に関する話題が増えたね
ポジティブな姿勢で伝える
お母さん(お父さん)が元気なうちに話しておきたいことがある
家族みんなが安心して暮らせるように、今のうちに準備しよう
終活=ネガティブな話題ではなく、「未来を安心して過ごすための準備」として伝えることが大切です。
一緒に考える姿勢を見せる
これって自分たち世代も考えないといけないよね
一緒に調べたり、考えたりしない?
親だけに負担をかけるのではなく、一緒に取り組む姿勢を見せると安心感が生まれます。
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親の終活:具体的にやること
終活といっても、何をすればいいのか分からない人も多いはず。
以下のステップを参考に、親と一緒に進めてみましょう。
エンディングノートを書く
エンディングノートは終活の第一歩
すぐに始められる上に、後から見直しや更新も可能です
財産の整理
・通帳や証券、保険の契約書などをリストアップする
・遺言書の必要性を検討する(特に財産が多い場合)
医療や介護の希望を確認する
・延命治療や臓器提供の意思を聞いておく
・介護が必要になった際の希望(自宅介護か施設介護か)を話し合う
お墓や葬儀についての希望を話す
・どのような葬儀にしたいか(家族葬か一般葬か)
・お墓の場所や形式(永代供養や納骨堂など)について
内容とポイントをまとめた表はコチラ
やること | 具体的な内容 | ポイント |
---|---|---|
エンディングノートを書く | 葬儀の希望、財産一覧、医療や介護の希望、家族へのメッセージなどを記録 | 書式は自由だが、特に重要な情報(財産、医療・介護希望、葬儀の形式)は漏れなく記入する |
財産の整理 | 預金口座、保険、不動産、借入金などのリストを作成 | 遺言書の必要性も検討する。特に財産が多い場合は公正証書遺言をおすすめ |
医療や介護の希望を確認 | 延命治療の有無や臓器提供の意思、介護方法(自宅か施設か)などを話し合う | 医療や介護に関する親の価値観を尊重し、可能であれば記録に残しておく |
お墓や葬儀についての希望を確認 | 葬儀の形式(家族葬、一般葬)、お墓の種類(永代供養、納骨堂)などを共有 | 親の希望を尊重しつつ、費用や手続きの現実面も話題に含める |
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親の終活:エンディングノートに書くこと
エンディングノートは自由度が高い分、書くべきポイントが分かりにくい場合があります。
以下は特に重要な項目です。
個人情報
- 名前、生年月日、マイナンバー
- 保険証番号やパスポート番号
財産の情報
- 預金口座、保険、株式、不動産の詳細
- 借入金やローンがある場合の情報
医療や介護の希望
- 延命治療の希望の有無
- かかりつけ医の情報
- 介護が必要になった場合の連絡先
葬儀やお墓について
- 葬儀の形式や場所の希望
- お墓の詳細や、供養の希望
墓じまいも選択肢のひとつです
家族や友人へのメッセージ
- 感謝の気持ちや伝えたい言葉を自由に書くスペースを用意
緊急連絡先
- 親しい友人、知人、親族のリスト
年代問わず必要なことは同じですが、「医療や介護の希望」が現実味を濃くしている・・・
「親にこれからも安心して生きてもらうためのサポート」として考えると、前向きに取り組みやすくなります。
大切なのは、無理に押し付けるのではなく、親のペースに寄り添いながら進めることです。
「今、一緒に考えてくれる家族がいる」ということは、親にとっても安心感につながります。
ぜひ、家族で未来のための準備を話し合ってみてください。
\ 親の終活で困ったら /
親の終活:メリット・デメリット
親が終活に取り組むことは、親世代・子世代の双方にとって大きな意味を持ちます。
しかし、終活にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
また、終活をしない場合にも意外な利点や課題があります。
今回は、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
親が終活した場合のメリット・デメリット
親にとって
- 心の整理がつく
-
人生を振り返りながら、自分の思いや希望をまとめることで、心に余裕が生まれる
「自分らしい最後」を具体的にイメージできるようになるのも大きな利点 - 家族に迷惑をかけにくくなる
-
財産や葬儀の希望を明確にしておくことで、子どもや家族が困らずに済む
- 自分の意思を伝えられる
-
医療や介護、葬儀に関する希望を具体的に伝えることで、望まない選択肢を避けられる
親にとって、医療・介護・葬儀について希望を明らかにする人生の節目なのに、心身ともに負担になる
子どもにとって
- 親の希望を尊重できる
-
親が「こうしてほしい」と具体的に伝えてくれることで、迷うことなく親の意思を反映した行動ができる
- トラブルを回避できる
-
特に遺産相続に関して、親が明確に準備をしてくれることで、親族間の争いを防げる
- 心の準備ができる
-
親の「その時」に向けて心の整理ができ、冷静に対応できるようになる
子どもにとっては、「いつか」の準備が安心材料になるけど、親との関係がギクシャクする可能性も有り
親が終活しなかった場合のメリット・デメリット
親にとって
- 余計なストレスがない
-
自分の最期について考えず、日々を穏やかに過ごせる
- 自由に時間を過ごせる
-
手続きや準備をしなくてもいいため、自分のやりたいことに時間を使える
親は「平穏な日常」が続くけれど、望まない延命をされてしまうことも考えられるわけで・・
子どもにとって
- 親に余計な負担をかけないで済む
-
親の気持ちを尊重し、あえて終活を求めないことで関係を円満に保てる場合がある
- 現状維持で安心して過ごせる
-
特に親子関係が良好な場合、終活を話題にしなくても安心して過ごせる
子どもにとっても「平穏な日常」が続くでしょうが、いざという時に慌てふためくのは目に浮かびます
終活には確かに手間や負担が伴いますが、親にとっても子どもにとっても大きなメリットがあります。
逆に、終活をしない場合はその場での対応が必要となり、思わぬトラブルや負担が生じる可能性が高いです。
親世代にとっても子世代にとっても、終活は未来に向けた「安心」を手に入れるための大切なプロセスです。
一緒に話し合いながら、親のペースで進めていくことが何よりも重要です。
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親の終活:しないと困るのは子ども
親にとって「終活」という言葉は、時に「自分の死を考えること」であり、受け入れるのが難しいテーマかもしれません。
だからこそ、多くの親は終活を先延ばしにしたり、そもそも話題に触れたがらなかったりします。
しかし、親が終活をしないことで困るのは、実は子どもたちなのです。
つまり私が終活しないと、困るのは息子と娘(&夫)
終活をしないことで、残された子どもが直面する現実
- 財産や遺産の整理に追われる日々
-
「何がどこにあるのかわからない」状態では、預金口座の凍結解除、保険金の受け取り、不動産の名義変更などに多大な時間と労力がかかります。
親の大切なものを探しながら、仕事や生活を犠牲にする日々が続くのは、想像以上に過酷です。
- 家族間のトラブルを避けられないリスク
-
遺産分配や介護の方針を巡って兄弟姉妹の意見が衝突することは珍しくありません。
「お父さん(お母さん)は本当はこう言ってたはず」という憶測が飛び交い、関係が壊れてしまうこともあります。
親の意思が明確に残されていれば、こうした争いは未然に防げたかもしれません。
- 親の本当の気持ちを知る機会を失う
-
終活は「親の人生を振り返り、何を大切にしてきたのか」「どんな形で最後を迎えたいのか」を聞ける大切な機会でもあります。
それを知らないまま親が亡くなってしまうと、「本当はどうしてほしかったんだろう」と悔いが残ることが多いのです。
子どもが抱える精神的・経済的な負担
親が終活をしていない場合、子どもが直面するのは想像を超えたストレスです。
たとえば、以下のような現実があります。
- 経済的負担
-
葬儀やお墓、介護費用などを急に用意しなければならない場合、家計へのダメージは計り知れません。
- 決断のプレッシャー
-
どんな介護を受けるべきか、どんな葬儀をするべきか――子どもが親の意思を知らないと、すべての決断を一人で背負うことになります。
- 感情の葛藤
-
「これで良かったのか」という後悔や、「もっと話を聞いておけば良かった」という喪失感が長く尾を引きます。
心に響く親へのメッセージ
「終活をしてほしい」というのは、親を急かしたり、縛りつけたりするためではありません。
それは、「親が大切だからこそ」の願いなのです。
親が元気なうちに、一緒に未来の話をすることで、家族としての絆が深まります。
子どもたちは、親の意思を尊重し、最期の時を親らしく迎えさせてあげたいと思っています。
そして、「お父さん(お母さん)がそう望んだんだ」と胸を張って選択できることは、子どもにとっての安心であり、親からの最期の贈り物となります。
親への問いかけ
あなたが大切にしてきた人生を、あなたらしく締めくくるために、何を伝えておきたいですか?
あなたがしてくれたことに感謝している子どもたちが、あなたの最期をどう見送りたいと思っているか、考えたことはありますか?
あなたの意思を知らずに子どもたちが迷い、後悔しながら選択をする未来を望みますか?
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まとめ:親に終活をお願いする意味と大切さ
親が終活をすることで、子どもたちは安心し、未来への準備を整えることができます。
終活は、「死」の話題ではなく、「親がどれだけ家族を想っているか」を伝える時間でもあります。
まとめ
- 親に終活をお願いするのは、家族の未来を守るため
-
- 親の希望が明確になり、家族が迷わず次のステップへ進める
- 家族全員が安心して未来を迎えられる準備ができる
- 終活は親子の絆を深める大切な時間
-
- 親の価値観や思いを知るきっかけになる
- 親子の信頼関係が深まり、絆が強くなる
- 終活は“終わり”ではなく、家族への贈り物
-
- 親らしい送り方を叶え、家族にとって大切な思い出になる
- 残される家族にとって、安心できる未来を準備できる
- 親が終活をすることで、子どもは安心して未来を歩める
-
- 葬儀や遺産分配の迷いが減り、子どもの負担が軽くなる
- 子どもが安心して自分の人生を歩む準備が整う
- 終活を始める一歩は、「話すこと」から
-
- 柔らかい言葉で「これからのことを一緒に考えたい」と伝える
- 少しずつ終活の話題を共有することが大切
- 今だからこそ、親と一緒に考える時間を大切に
-
- 親が元気なうちにこそ、終活は進めやすい。
- 終活を通じて、親子のコミュニケーションをより深めることができる
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親が終活に乗り気ではない場合、どうすればいいですか?
無理に進めようとせず、自然に終活の話題を取り入れることが大切です。
たとえば、知人やテレビ番組の話題を使って、「最近終活が注目されているらしいよ」と切り出すと抵抗が少ないです。
また、親が関心を持ちそうな「エンディングノート」や「葬儀の簡単なパンフレット」などを一緒に見るのも効果的です。
親が自分から興味を持つのを待つ余裕も必要です。
エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?
エンディングノートは、葬儀の希望や財産の一覧、家族へのメッセージなどを自由に記録するノートで法的効力はありません。
一方、遺言書は法律で定められた形式に従って作成し、遺産分配などに効力を持つ正式な書類です。
エンディングノートは「親の希望を知るためのツール」、遺言書は「法的に遺産分配を決めるもの」と覚えておきましょう。
終活をしないことで親や子どもが困る具体例を教えてください。
終活をしない場合、以下のようなトラブルが起こりやすいです
- 財産整理:銀行口座の凍結や遺産相続で親族間の争いが発生する。
- 医療や介護:親が望まない延命治療を受ける可能性がある。
- 葬儀の手配:どのような形式にするか分からず、葬儀費用で家族が負担を感じる。
これらは家族にとって精神的・金銭的な負担になるため、親の意思が確認できていることが重要です。
親の終活に対して子どもができるサポートは?
子どもができるサポートとして、以下を心掛けましょう
- 話し合いの場を作る:定期的に親と終活について話す時間を設ける。
- 書類や情報の整理を手伝う:銀行口座や保険のリスト化、重要書類の保管場所の確認。
- 専門家を紹介する:必要に応じて、弁護士やファイナンシャルプランナーを手配する。
- 気持ちに寄り添う:「親のため」ではなく「家族全員が安心するため」というスタンスで支える。
親が終活を始めたとき、子どもは何に注意すべきですか?
親が終活を始めた場合、以下の点に注意してください
- 親のペースを尊重する:急がせず、親の気持ちや負担を優先する。
- プライバシーに配慮する:財産や希望の詳細を聞きすぎると親が不快に感じることがあります。
- 記録を共有する準備をする:親の希望が分かったら、子どももそれを把握できるようメモを取るなどしておきましょう。
とはいえ・・めんどくさいし、複雑そうだし、後回しにしてしまいがち
\ そんなときは相談してみましょう /
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